金属冠ってどうして劣化するの?
以前入れた銀の被せ物や詰め物が、入れた時と比べて黒く変色していませんか?
- 表面の傷
- 微生物の影響による腐食(プラークが原因)
◎微生物の産出する酸により、合金中の銀成分が黒色腐食(酸化銀)
◎微生物の産出する硫化化合物により、合金中の銀成分が黒色腐食(硫化銀)
- 口腔内環境
◎口腔内の全体もしくは局所が酸化的環境になり、合金中の銀成分が黒色腐食
◎口腔内の全体もしくは局所が硫化的環境になり、合金中の銀成分が黒色腐食
- 電気的環境(ガルバニック電流)
◎隣接する異種金属の接触による腐食
- 薬剤による反応
◎ヨード(イソジンなど)による洗口、消毒により合金中の銀成分が黒色腐食
◎高濃度フッ化物もしくは酸性フッ化物によるチタンの腐食
◎グルコン酸クロルヘキシジン、フッ化ジアミン銀による腐食
- その他
◎金属の不適当な溶解や技工操作の問題により、合金組成が不均一な鋳造物が出来上がることによる劣化
1年経過した金属冠です。たった1年でこんなにも変色します。
補綴物は口腔内という過酷な環境において微生物にも曝されながら、さらに生体の一部として機能することが課せられます。
補綴物は天然歯より悪条件となりプラークの温床となりやすいのです。
プラークが付きやすくなる因子には、『粗造面』『材料の種類』『変色・腐食した金属表面』『形態と構造の不調和』があります。
プラークが付きやすい種類って?
レジン>金属>セラミック
の順番です。
◎口腔内に入れると、すぐにブラッシングなどの機械的刺激で滑沢面が冒されます。
◎金属は変色・腐食する
◎金属冠の表面に凸凹があればプラークの温床となります。