メタルフリー治療って?
メタルフリー治療とは、金属を使わない方法です。
金属によって様々な害が発生する可能性を少しでも抑えるように、当院ではなるべくメタルを使わないメタルフリー治療をおすすめしています。
そしてメタルフリーの代表的なものにセラミックがあります。
セラミックと言ってもたくさんの材料があります。
その中で当院がおすすめしているのが、ジルコニアを材料としたものです。
保険適用の銀歯って?
医科では、多くの最先端治療が保険適用され「最善の治療」が提供される中、歯科の場合、新しい治療法が健康保険で適用されることが、ほとんど認められていません。
歯科の保険制度は、随分前からありますが、その内容は保険適用される治療法や材料の範囲が広がるどころか、医療費抑制により縮小され「必要最低限の治療」しか提供できないのが現実です。
その一つに、保険適応の銀歯の詰め物・被せ物があります。
最大のメリットは、使用材料が安価である為治療費が安価であるという点です。
しかし、ここ最近では以下の事が取り上げられています
- 銀歯は細菌を引き寄せる欠点があるので、二次的な虫歯や歯周病のリスクを高める
- 金属アレルギーになりやすい素材である
- 海外では安全性の問題から、使用されていない素材が含まれている
- 再治療の可能性がある
なぜ細菌を引き寄せるの?
実は、銀歯は電位を帯びやすい素材のためにプラークを引き寄せるという欠点があります。
なぜ電位を帯びるのか?
それは金属のイオン化傾向です。
口腔内の唾液と接触する事で、合金組成の金属がイオンとなり唾液に移行します。すると、溶液中に溶出した金属イオンの正の電位と金属表面の負の電位との界面に電位差が起きます。この現象により細菌を引き寄せやすい状態を作ります。
そして、銀歯の主な成分は、銀50%・パラジウム20%の卑金属なので容易に金属腐食が起こり劣化しやすい素材で出来ています。
その為、時間の経過と共に銀歯の表面が劣化しザラザラしていきます。
そしてこのザラザラに、細菌の塊であるプラークが滞留することにより虫歯の再発が起こります。
銀歯の平均使用年数
再発虫歯で、インレー(銀の詰め物)…5.8年
クラウン(銀の被せ物)…8.2年
歯髄炎で、 インレー…5.3年
クラウン…8.9年 (岡山大学歯学部予防歯科学講座参照)
と言われています。
実際、歯科医院で行われる治療の2/3程度は再治療であり、この治療を繰り返すことにより被せ物が大きくなり、歯の寿命が短くなります。
通常、同じ歯を5回再治療すれば、ダメージは大きくなり抜かないといけないと言われています。
銀歯の仕組み
銀歯は、歯と接着しませんので、銀歯を被せるときはセメントで隙間を埋めその摩擦力で維持しています。
しかし、セメントは時間が経つと、噛みあう力や唾液の作用で劣化し溶け出します。
その結果、隙間にプラークが付着し再発虫歯のリスクが高くなり、脱離の可能性も高くなります。
また、銀歯は柔軟に形を変えない特性がありますので、噛んでるうちに天然歯は次第に擦り減りますが、銀歯は擦り減らないので歯と銀歯の境目に微妙な隙間が出来てしまいます。
これも、再発虫歯と脱離の可能性を高めます。
被せ物の平均脱離時期
インレー(銀の詰め物)・・・4.1年
クラウン(銀の被せ物)・・・6.2年 (岡山大学歯学部予防歯科学講座参照)
と言われています。
どの被せ物を選択するかで、今後の歯の寿命が決まってしまいますので修復物を選択するときは、しっかりとカウンセリングを受け慎重に選ばなければなりません。
アレルギーってあるの?
保険の銀歯には、金属アレルギーを起こしやすいパラジムウという金属が含まれおり、実際に皮膚アレルギーや原因不明の体調不良等を起こす場合もあります。
日本皮膚科学会では、原因不明のアレルギー症状患者の約50%の患者が歯科金属が原因であると発表されているそうです。
また海外の動きとして、歯科医療先進国であるスウェーデンでは、日本で使用されている保険の銀歯に含まれている金属の一部は、すでに禁止されており、ドイツでも幼児や妊婦に対して、重金属を含む歯科材料を使用しないよう勧告を行い、メタルフリーを推奨する動きが活発になっています。
以前から当院でも、ジルコニアなどメタルを使用しない被せ物を、選択される患者様がいらっしゃいますが
最近はこのような流れから、ジルコニアを選択される方が増えている傾向にあります。
ご自身の歯の寿命を延ばしたいと、お考えの患者さんが多いようですね。
ジルコニアの被せ物を入れるメリット
- 表面は滑らかで汚れもほとんどつかず、変色も起こりません
- 生体親和性に優れているため被せ物と歯がきれいにフィットし、
再発虫歯の可能性も飛躍的に低下します
- また患者様それぞれの歯のお色に合わせてお作りしていくので審美性にも優れています
- 強度もありしっかりしていますが鏡面研磨をおこなっており、摩擦が起きないので噛み合う反対の歯を痛める心配はありません
デメリットはあるの?
保険診療内ではできない為、自費扱いになります。歯科医院によって値段が変わるため、患者さん自身もしっかり
カウンセリングを受け慎重に選ばなければいけません。
※画像は実際に使用しているオールセラミックのブロックです。