味覚障害って治るの?
最近ご高齢の患者様を中心に
味がわからない・味がしないと来院される方が多くなりました。
口の中が荒れて物が飲み込めないと違和感を訴える方もいます。
それは味覚障害・味覚異常の可能性があります。
原因はなに?
味覚障害にはストレスなどさまざまな原因がありますが
ご高齢で当院に来院される患者さんには共通点がありました。
それは複数の薬を服用されている事です。
味覚障害には複数の原因が考えられていますが
複数の薬を服用されている場合、亜鉛不足が原因となることが多いです。
食生活にもよりますが通常の食生活で摂取する亜鉛の量では
たくさんの薬を飲んでいるとその薬と亜鉛が反応して(キレート結合)
体外に排出されてしまい、より多くの亜鉛を必要としてしまうのです。
その結果、亜鉛が不足し味を感じにくくなってしまいます。
どうしたらいいの?
複数の薬を飲まれていて亜鉛不足が原因と考えられる場合は
亜鉛製剤投与で亜鉛を補充すると症状が改善されることがあります。
概ね2週間~1ヶ月で効果が現れるといわれています。
亜鉛は生命維持に必須の比較的安全なミネラルで
通常治療量の経口投与では中毒を起こさないことも
知られているので安全です。
血清亜鉛値が基準値より高めでも亜鉛欠乏症が存在することもあります。
複数のお薬を服用されている方は亜鉛不足を
疑ってみるのもよいのかもしれません。