フッ素入りの歯磨剤を選ぶ理由
虫歯予防に欠かせない”フッ素”は、丈夫な骨や歯を作るために大事な役割を果たしています。
フッ素(F)とは、天然に存在する元素のひとつです。
以前は、フッ化物、フッ素化合物に対しても”フッ素”という言葉を使っていましたが、現在では、元素名として使用する場合のみ
”フッ素”とし、”フッ化物イオン”が含まれる化合物は”フッ化物”と分けるように定められています。
フッ化物の種類別特徴
◎フッ化ナトリウム(NaF)・・・塗布した瞬間からフッ化物イオンが歯の表面に作用するため、齲蝕予防効果はモノフルオロリン酸ナトリウムより高いといわれています。
◎モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)・・・唾液の作用でゆっくりフッ化物イオンに変化するので、小さい子に安全に使用できる。
◎フッ化第一スズ・・・バクテリアに対し抗菌作用があるため、ミュータンス菌レベル高い人に効果的である。
虫歯予防に効果的
フッ化物が歯に作用すると
①歯のエナメル質を構成するハイドロキシアパタイトの結晶を改善する
②フルオロアパタイトを生成しエナメル質の歯質を強化する
③唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンとともに脱灰部分の再石灰化を促進する
という効果があります。
最近では、歯磨剤のフッ化物濃度が1000ppmから1500ppmに上がり、より効果的になりました。
WHOのテクニカルレポートでは、1000ppmを超える濃度のフッ化物配合歯磨剤では、濃度が500ppm上がるごとに臨床効果が6パーセント増加すると言われています。
フッ素を利用することで
- 再石灰化の促進作用
- 細菌の酸生産の抑制作用
- 歯質強化の作用
に繋がります。
二次虫歯や象牙質齲蝕の予防にも効果的
二次虫歯は、再発性齲蝕ともいわれ、被せ物のマージン部の虫歯の事をいいます。
二次虫歯の多くが象牙質にまで達した被せ物の周辺で起こることから、象牙質齲蝕の予防が大切になってきます。
二次虫歯になると、再治療が必要になります。
治療回数を重ねるごとに歯は少しづつ失われ、被せ物も大きくなり、治療回数が5~6回くらいになると抜歯の対象になってしまうこともあります。
また、歯周病や加齢が原因で歯茎が下がり、歯の根元の象牙質が露出することでできる虫歯(根面齲蝕)もあります。
そうならないために、高濃度フッ化物配合歯磨剤が効果的になるといわれています。
効果的な使い方
長い時間フッ素が口腔内にとどまっていることが大切です。
そのためには、できるだけ日常的にフッ化物配合の歯磨剤を使用しフッ素を供給することが必要になります。
歯磨剤の使用量に注意し、口腔内に少しでもフッ素が残るようにしましょう。
また、洗口剤や歯科医院でのフッ素塗布も効果的です。