今、口腔内からできる新型コロナウイルス対策！

新型コロナウイルスがまだまだ世界中で猛威を振る中、口腔内からできる予防対策があります。

ウイルスは空気中に蔓延し目に見えない為、手洗いうがいなどの対策を徹底したとしても、体内に入ることは十分に考えられます。

口腔内を清潔に保つことで、口腔内の力を高め、ウイルスが侵入してきてもウイルスに感染しにくい体作りをしましょう。

唾液には口腔内に入ってくるウイルスや、細菌などの病原体に対する防御因子が含まれているため、感染症の予防や全身の健康維持に重要な役割を果たします。

唾液中にある抗ウイルス・抗菌作用をもつ免疫物質が、インフルエンザなど様々な感染症から体を守ってくれます。

そしてこの免疫物質は口腔内に入ってきたウイルスに付着します。免疫物質に付着されたウイルスは、唾液の自浄作用により外に出される仕組みです。

現在、新型コロナウイルスに対する感染予防について正確なエビデンスはありませんが、インフルエンザやSARSなどと同じように、唾液や口腔環境が

新型コロナウイルス感染防止に役立つ可能性は十分考えられます。

唾液中にあるIgA(免疫グロブリンA)という抗体が口腔内での感染予防で重要な役割を果たす免疫物質だと言われています。

唾液中のIgAが低下していると、風邪をひきやすくなり呼吸器系の感染症にかかりやすい状態になります。

IgAの量を増やすには、ストレッチなどの有酸素運動が効果的であり、IgA量を高められることが知られています。また、食品では納豆やヨーグルトなどの

発酵食品や食物繊維の摂取も有効です。

口腔内に病原菌(歯周病菌など)があるとウイルスと共に粘膜を傷つけ、そこから体内に侵入し感染を起こし、粘膜細胞にウイルスを侵入しやすくする酵素(プロテアーゼ)を出します。

この酵素がウイルスを活性化させることで感染に繋がります。

その為、感染を防ぐには口腔内を清潔に保つことが重要になります。

ご自身では1日2，3回の歯磨きを行い、2，3か月に１度の定期的なケアを歯科医院で受けましょう。

口腔内を綺麗に掃除し、口腔内細菌を減らしましょう。

口腔ケアがインフルエンザ発症率に繋がっている事をご存知ですか？

２００３年、２００４年に６５歳以上の在宅療養高齢者１９０人を対象にした調査で明らかになっています。

調査内容は、歯科衛生士が週１回口腔清掃などをしたグループ①(９８人、平均年齢８１歳)と、本人及び介護者による通常通りの口腔ケアをしたグループ②(９２人、平均年齢８３歳)に分けました。

半年後インフルエンザ発症率を比較したところ、グループ①では１人、グループ②では９人の結果になりました。

このように口腔ケアにより発症リスクが１０分の１に減少したことがわかりました。

新型コロナウイルスに感染すると、高齢者や糖尿病、心不全など基礎疾患のある人ほど重症化しやすいと言われています。

インフルエンザとは少し違うかもしれませんが、同じ感染症対策の一つとして口腔ケアにも気を配りましょう。

このような状況ですが、当院では患者さんの口腔内を綺麗にすることで、少しでも感染対策にお役に立てることが出来ればと思います。