歯の根管治療(神経治療)とは?【歯を抜かずになるべく残したい方】

  • 更新日:2025.03.31
  • 公開日:2025.03.31
歯の神経治療、いわゆる「根管治療」は、多くの歯科医院で取り入れられている治療法です。虫歯が進行すると、痛みなどの症状がなくても菌が神経まで広がることがあり、放置すると止むを得ず抜歯をするしかなくなるケースもあります。痛みが出てから歯医者へ駆け込むという方も多いですが、歯の神経にまで虫歯が達すると治療が長引く可能性もあります。

本記事では、根管治療(神経治療)とは何か、対象となる症状について解説します。


1. 歯の神経治療(根管治療)とは?

歯の神経治療として知られる根管治療は、歯の内部にある神経や血管が通る管(根管)を清掃・消毒し、細菌の感染や再発を防ぐために詰め物をする治療です。虫歯が歯の表面だけでなく奥深くまで進行すると細菌が神経を侵し始め、強い痛みや炎症を引き起こします。神経にまで細菌が達してしまうと、歯の根の先までしっかりと処置を行うことが必要になります。しかし、通常の虫歯治療では治すことができないため、根管治療を行うことで抜歯をしなくても歯を可能な限り残すことができます。

根管治療は自費?保険?

被せ物は「銀歯=保険」「セラミック=自費」のように、根管治療には保険診療と自由診療があります。保険診療は費用が抑えられますが、使用できる材料や治療方法に制約があります。一方、自由診療は、マイクロスコープや高性能な器具、高品質な薬剤を使用できるため、精密な治療が可能ですが、その分費用は高額になります。どちらを選ぶかは、患者様の希望や歯の状態に応じて慎重に判断することが大切です。

2. 重度の虫歯でも抜歯せずに残せる?

虫歯が深く進行すると、最終的に歯茎から出ている歯はほとんど残らず、根っこの部分だけがかろうじて残っている状態になることがあります。一般的に、このような場合では抜歯を勧められることがほとんどですが、患者さんの口腔内の状態や顎の骨の状態、周囲の歯とのバランスなどを考慮した上、根管治療と再建処置の組み合わせで歯を残せる可能性もあります。歯を一度失ってしまうとインプラントやブリッジなどの被せ物が必要になり、治療期間や費用、手間も増えてしまいます。根管治療によって自分の歯を残すことができれば、治療の負担を減らすことができるだけでなく、噛む力を維持したり、さまざまなメリットがあります。

3. 虫歯以外でも根管治療

根管治療がおこなわれるケースは、虫歯だけとは限りません。
衝撃によって歯が折れ、神経が剥き出しになってしまった場合にも、神経への感染を防ぐために根管治療が必要となることがあります。また、過去に治療を受けた歯の詰め物や被せ物の下で再び虫歯が進行し、神経に細菌が入り込んでいる場合にも、根管治療を行います。放置すると歯や歯茎の痛みだけでなく、顎の骨まで炎症が拡大するリスクがあるため、虫歯や歯が欠けてしまった場合には、歯医者へ行くことが大切です。根管治療が遅れると、細菌が歯の根の先を越えて周りの組織にまで及び、膿が溜まる可能性があるため注意が必要です。

4. 根管治療中に起こりやすい痛み

根管治療は歯の深くまで処置を行うため、圧迫感や痛みを感じるケースがあります。麻酔が効いていても炎症が強いと痛みを感じやすいことがあり、特に神経が過敏な状態では痛みを完全に抑えきれない可能性もあります。また、根管の形が曲がっていたり、細菌の感染が広範囲に及んでいる場合には、清掃・消毒の段階でより痛みを感じることがあるため、医師と相談しながら無理のないペースで治療を進めることが大切です。また、治療に対して緊張しているほど痛みを感じやすくなる傾向があります。

5. 根管治療後の痛みはいつまで続く?

根管治療の直後は、痛みや違和感が残ることがあります。特に、神経を取り除いた直後は、患部の周辺が炎症を起こしており、噛むとジーンと響くような痛みが出る場合もあります。通常、痛みは数日から1週間程度で徐々に和らぎますが、痛みが長引く場合や悪化する場合は無理に我慢せず、再度診察を受けることが大切です。万が一、治療したところから膿が出たり、歯茎が大きく腫れたりするようであれば、根管治療の痛みではなく、別の症状を発症している可能性もあります。少しでも異変を感じたら放置せずに歯医者に行くことが重要です。

6. 根管治療後に再発する可能性はある?

根管治療後に再び歯が痛み出したり、治療した部分の腫れが引かない場合には、再感染の可能性が考えられます。根管内は非常に複雑な形状をしており、隅々まで処置しきれなかった場合や治療後のケアを怠ったことで、詰め物のすき間から細菌が侵入することが原因です。

痛みや違和感が続く場合は、再度治療を行わなくてはいけないかもしれません。2回目の治療をする場合、1回目の治療の時よりも、神経の部分が脆くなっていることも多く、歯自体の強度も落ちている場合があります。その結果、治療期間がさらに延びたり、歯が折れるリスクも高まります。

7. 治療後はメンテナンスとセルフケアが重要

根管治療後は、定期検診とセルフケアを心がけることが大切です。治療の効果を長持ちさせるためには、定期的に歯科を受診するだけでなく、日頃の歯磨きや丁寧なケアを徹底することが重要です。また、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、治療した歯に負担がかかることがあるため注意が必要です。マウスピースを使用することで歯への負担を軽減できるため、一度検討してみるのもいかがでしょうか。根管治療はあくまでも歯を残すための手段であるため、その後のケア次第で歯の状態は大きく変わります。

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